―時計屋のショップスタッフが選ぶ『ポジティヴ・ウォッチ』発表!
ファッションウォッチ振興会チェアマンの松崎です。皆さん、いつも当振興会の活動および「時計屋大賞」にご関心を賜りありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
腕時計販売に携わるショップスタッフの皆さんのご参加により、「時計屋大賞2020」の受賞商品が決定いたしました。今年は新型コロナウィルスによる未曾有の社会変化の最中にあり、時計業界も多大な影響を受けています。こんな中でも当大賞を発表できることに、まずは喜びと感謝を表明したいと存じます。
このようなコロナ禍で迎える二年目の「大賞」選考にあたり、当会では腕時計の存在意義について考えるいい機会と捉え、今年の商品選定テーマを【ポジティヴ・ウォッチ】と致しました。
思えばテレワークやリモート会議など、この半年で働き方が大きく変わりました。社会生活においては「不要不急」という言葉に当てはまるすべての行為や営みが自粛の対象となり、澱んで閉塞した時間が続き、そのことで経済は停滞しました。その後、このままではいけないと徐々にみんなが気付くようになり、この状況を新しい日常と前向きに捉え「ニューノーマル」という新語も生まれました。
私自身も本業では在宅での仕事が増えました。外出しない分リラックスした服装で仕事ができるのは楽でいいなと思う反面、公私の切り替えが難しいことを痛感する毎日です。
こんな中、家で私は腕時計を着けなかったかというと、そんなことはありませんでした。それは気持ちの切り替えには腕時計がとてもいい役割を果たせることに気づいたからです。
つまりは「スイッチ」としての腕時計ということです。
リモート会議の前にちりちりと機械式時計をゼンマイを巻いて腕に着ける時、気分はばっちりオンタイムに切り替えられます。一方で運動不足解消とばかりにランニングに出るとき、機能が充実したデジタルウォッチに着替えると集中して走りに取り組める自分が居ました。ファッションコーディネイト以外の腕時計の効用や楽しみについて改めて認識をした次第です。腕時計ってやっぱりいいな、これは不要不急のものとして簡単に片づけられるべきものではないな、と。
今回受賞の12本、それぞれが持つ魅力について一見しただけではわかりにくいかもしれません。けれども選ばれた理由は明確にあります。これらを選んだショップスタッフの皆さんはその魅力を心得ているはずです。当振興会は店舗(オンライン含む)最前線の皆さんが評価したこれらの商品を業界の内外に伝えることで、生産者と選んだショップスタッフの思いを広めていきます。こうした厳しい社会情勢の中だからこそ、腕時計の新しい価値提供あるいは再評価の視点を皆さんと共有できればと考えております。今年の「時計屋大賞」、ぜひご高覧ください。
2020年11月10日"腕時計の日"
ファッションウォッチ振興会
チェアマン 松崎充広
※今後「時計屋大賞」の発表を毎年11月10日とし、この日を当振興会では『腕時計の日』と命名することにしました。