時計屋大賞2019 ファッションウォッチ振興会 会長 松崎充広ご挨拶全文

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本日はお忙しい中、 「時計屋大賞2019表彰式」にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。ご紹介に預かりました、ファッションウォッチ振興会、会長の松崎充広です。はじめまして。表彰式にさきがけ、少しお時間を戴き、この賞を創設した想いやそこへ至る経緯などをお話させていただきます。

最初に簡単に自己紹介をさせていただくと、私は普段はとあるカジュアルウォッチを中心とする腕時計店のチェーンを営む会社の代表であります。が、今回はその立場を捨て、一人の腕時計愛好家として、あくまで私人として活動を行っております。

さて、私共、「ファッションウォッチ振興会」は、この度日本初の時計店 店舗スタッフによる腕時計のグランプリ『時計屋大賞』を創設するに至りました。

まず「ファッションウォッチ」という言い方、つまり腕時計の中でもあえて「ファッションウォッチ」とカテゴライズしたのは、毎日着替えるように、みなさんに腕時計を楽しんでいただきたいという想いが込められています。

デスクやコレクションボックスにしまって1年に一度しか使わないような高級な時計ではなく、かといってすぐに壊れてしまうようなガジェット時計でもない、価格で言うとだいたい1万円から5万円くらいの"カジュアル衣料"のように着替えられる時計をもっとみなさんに知ってほしい、それを着けて楽しんで頂きたい、そういう想いです。もちろん値段の高い高級時計の愉しみもありますし、そういう愉しみも個人としてはよくわかっているつもりですが、それとはまた違った日常的な腕時計の楽しみ方に注目してほしいということを申し上げたい。

昨今、スマートフォンの普及により、腕時計は時間を知るアイテムとして必需品ではなくなりました。生活する中で、その日一日腕時計に一切触れない方、腕時計を必要としていない方々がたくさんいます。

しかし、その状況を見るにつけ、それはもったいない!と私は思うのです。

そもそも「時間を知る」という機能は、時計のひとつの機能でしかないと私は思っております。ファッションウォッチの世界は非常に多彩で個性的です。毎年、1000本とも言われるウォッチが世に出ています。大きなブランドから、小さなブランドまで、メーカーは皆知恵を絞って新しい腕時計を世に送り出しています。腕時計にもトレンドもあり、その変化を知ることも楽しみのひとつ。色々な国の、実に様々なデザインの腕時計があります。

このようにファッションウォッチは、じつに多種多様で面白い世界です。こんなに面白い世界がケータイやスマホの置き換わるなんて悔しいな、とひとりの時計好きとして、私は日々かんじているわけです。

ここで皆さん、皆さんの気に入った腕時計のことを少し思い浮かべてみてください。

どうですか? 思い浮かべてくださいましたか? 

毎日折に触れて、一瞥する自分の腕にある腕時計。 自分のこだわりが凝縮されているような腕時計。ちらっと見るたびに自分の自尊心をくすぐられたり、デザインの良さやジュエリーのような美しさに、思わず笑みがこぼれてしまうような瞬間、みなさんにもきっとおありでしょう? 

思うに、それは一つの「鏡」ではないかと思うのです。誰しもが持つ自分の感性や好みが反映されたものであり、あるいはだからこそそれを代弁してくれる、いわば自己表現のさりげないツールであり、洋服よりもっとずっとパーソナルな想いを反映する、まさに身につける「相棒」のような感じ、そういう要素がありませんか? 

あるいは、その腕時計大切な人からの贈り物という場合もあるかもしれません。贈り物の場合はその贈り主のことも、腕時計を見る度にちらっと思い浮かぶこともあるでしょう。

その腕時計の代替品となっているのがスマートフォンです。 確かにもはや手放せない大事なモノではありますが、けれどもスマートフォンという工業製品の外身(そとみ)からは自己表現は出来ませんよね? 持ち物であっても「記号」までには至っていない。ましてやスマートフォンには腕時計ほどのバリエーションがありませんから、とてもじゃないけど感情移入は出来ない。   

だからこそ、腕時計は楽しいと言いたい。腕時計というものは、さりげなくそれができます。自己表現と言うと大げさですが、自分のことを嫌味なく語れるのです。

そしてそういう腕時計とりわけファッションウォッチの楽しみ方を知っていて、一つひとつの商品にいちばん精通しているのが、店舗のスタッフの皆さんであるわけです。私は、そうしたことをもっと世の中の方に知って頂きたく、振興会を興し、店舗のスタッフの皆さんのお力をお借りして、時計屋大賞を実施することにしました。

時計屋大賞は、時計店店員の投票で、ファッションウォッチのNo.1を決めるアワードです。

繰り返しになりますが、時計店のスタッフの皆さんは、専門家でありながら、ひとりのファッショウォッチファンでもあります。一人ひとりが、心の中にこだわりの「推しウォッチ」を心の中に持っています。それを投票してもらい、皆さまにお知らせする、そんなイベントを通じて世の人々にファッションウォッチを楽しんでいただく、新たなきっかけを作りたい、きっかけになるといいなと思っているわけです。

この時計屋大賞。第一回目のテーマは、オリンピックイヤーにちなんで「各国対抗」とさせていただきました。8つの国と地域のNo.1No.2、その選ばれた合計16本の中から最高金賞3本をこの後発表いたします。

さて、ファッションウォッチ振興会のことについて少し説明させていただきます。

まず当振興会は非営利で私含め理事4名は無報酬であります。また、先に述べたファッションウォッチの市場活性化を目的としていますので、特定のメーカーや特定の団体の影響を受けず、利害関係は作らないルールに則って活動することにしています。

振興会のアウトプットとしては、このような時計屋大賞をはじめとして、継続的に腕時計についてのコンテンツを創出しHPSNSで発表してまいります。ご参加企業の店頭やウェブで使える宣材なども提供したします。

スタートの今年、初の時計屋大賞の選考は220名の投票で行われました。もちろん今後はもっともっと参加者を増やしていきたいと考えています。毎年テーマを変え、現場のスタッフの目利きの力をもとにファッションウォッチの魅力を伝えていく所存です。

今後の私共の活動に、ぜひともご注目くださいますようお願い申し上げます。

2019年12月吉日
ファッションウォッチ振興会
会長 松崎 充広